FX取引で利益と損失(為替差損益)が生まれる仕組み

FXを始めるのにあたって最初に知っておくべきことは、「FXでの利益と損失(為替差損益)がどのように生まれるのか」という基本です。

FXを始めたいと考えている人は誰もが利益を狙いたいと思っているでしょう。まずは「FXでの利益がどういう仕組みで生まれるのか」、反対に「損失が生まれる仕組みはどうなっているのか」、FXを始めるうえで重要なこの2点を解説します。

通貨ペアのポジションを決済することで利益を狙うのがFX

FXで取引されているのは通貨ペアです。

「米ドル/円」であれば、米ドルと日本円がペアになったもので、「豪ドル/円」であればオーストラリアドルと日本円がペアになっています。

この通貨ペアにおいて、どちらかの通貨を新規に買うこと(=もう一方の通貨を売ること)によって「ポジション」が発生します。

この「ポジション」が発生した状態のことを「ポジションをもつ」といいます。なお、通常、通貨ペアで先に表示されている通貨を基準に、その通貨を買う注文なら「買いポジション」、売る注文なら「売りポジション」をもっていることになります。

(※ドル円の事例では、ドルを買う注文が約定すれば「買いポジション」をもつことになります。)

保有するポジションを決済することで利益(為替差益)を狙うのがFXです。買いポジションであればポジションが成立した時点よりも通貨の値段(レート)が高くなっていれば利益、逆に低くなっていれば損失(為替差損)です。

(例)1ドル=140円で購入、141円で売却した場合
差額は1円になるので、1円×取引した米ドルの量が利益となります。
・10,000米ドルを取引していた場合:10,000円の利益
・1,000米ドルを取引していた場合:1,000円の利益

決済するまでは損益は確定せず、「含み益」「含み損」をもった状態になります。含み益が出ているときにポジションを決済すると利益確定、含み損が出ているときにポジションを決済すると損失確定となります。

FXではスワップポイントによっても損益が発生する

為替差損益だけでなく、FXでは「スワップポイント」によっても損益が発生するので、覚えておきましょう。

スワップポイントの説明

スワップポイントとは

異なる通貨同士の金利差を調整するために、日をまたいだ時点でやり取りされる差額のこと。(※日をまたがずに決済する場合は発生しない)

原則的に、金利が低い通貨を売って金利の高い通貨を買い、日をまたぐとスワップポイントを受け取ることになり、逆に金利が高い通貨を売って金利が低い通貨を買い、日をまたぐとスワップポイントを支払うことになります。

スワップポイントで利益を狙う場合、日本円の売りポジションを保有するやり方が主流です。

なぜなら日本円は世界にもほとんど類を見ない低金利で、逆に世界には日本を大きく上回る高金利の通貨があるため、日本円を売って高金利国の通貨を買えば、ほぼスワップ受け取りになり、長期的にスワップを蓄積していく投資戦略を描きやすいからです。

かつてはオセアニア通貨が高金利通貨として知られており、豪ドル/円やNZドル/円を長期保有してスワップを稼ぐ手法が人気となっていましたが、今ではそこまで大きな金利差ではありません。現在、スワップポイント目的で代表的な通貨ペアは以下の3つです。

スワップポイント目的でおすすめの通貨

  • トルコリラ/円
  • メキシコペソ/円
  • 南アランド/円

なお、スワップポイントは受け取りだけでなく、支払いになるパターンがあることも意識しておきましょう。

金利の高い通貨を売って、低い通貨を買っていれば、スワップは支払いになります。トルコリラ/円やメキシコペソ/円の売りポジションをもち続ければ、スワップポイントを継続して支払うことになります。

また、FX会社によっては、まれではありますが、買い・売り両方のスワップポイントが支払いになることもあります。さらに、今はスワップポイントが受け取れる通貨ペアでも、将来的に金利が変動することで支払いに転じることがあるので注意が必要です。

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