10.232020
水俣棒などの公害病の要因として知られる水銀ですが、実は割と身近なところで使われているのです。
みなさんお分かりでしょうか。
正解は「単位」です。
mmHg という圧力の単位なのですが、「mm」は「ミリメートル」、「Hg」は「水銀」を表しています。
いまでも日本で血圧に使われる単位なのです。
定義としては「高さ 1 ミリメートルの水銀柱が与える圧力」となります。
血圧が 140mmHg の場合、水銀柱式血圧計の水銀柱を 140mm 押し上げる圧力があることを表します。
mmHg は 100 年以上前に水銀圧力計が作られた頃から使われていますが、実はこれは国際単位計(SI 単位)ではありません。
日本では 1949 年まで mmHg は気圧の単位でも使われ、その後気圧は mb(ミリバール)にかわり、1992 年から hPa(ヘクトパスカル)となっております。
国際単位ではないため mmHg も削除が検討されてきましたが、「国内外の潮流をふまえ, 生体内の圧力の計量という特殊な計量に用いる法定計量単位として規定し,期限の定めなくその仕様を可能とする措置」が講じられたため、これからも mmHg が使われるかと思います。
しかし水銀に関する水俣条約により、水銀を用いた圧力計は原則として 2020 年までに製造・輸出入が禁じられますので、いつまでもこの単位を使うのも不思議な気がします。
参 考 URL https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=9520
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