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●ナトリウムと毛髪ミネラル検査

●ナトリウムと毛髪ミネラル検査

ナトリウムといえば、「塩」のイメージですよね。

 

 

毛髪ミネラル検査でナトリウムが高かった場合、塩の摂りすぎかしら?とまずは考えるかと思います。

 

では、ナトリウムを過剰に取りすぎている方は必ずミネラル検査のナトリウム量が高くなるのでしょうか。

 

 

 

意外なことに、塩の摂取量と毛髪ミネラル検査のナトリウムの値は相関しないことが多いのです。

 

それを紐解くために、ナトリウムは一体どこで使われているのかを説明していきます。栄養のプロの方には眠たい話かと思いますが、お付き合いください。

 

ナトリウムは電解質として、体内で一定の濃度になるように常にコントロールされています。

主な働きとして細胞外液の浸透圧を調節する働きや、筋肉や神経を正常に保つ働きや血圧の調整などがあります。

 

健康な人の腎臓は、血中のナトリウムが低下すると尿中の水分量を多くしたり、排出するナトリウムを減らして、水とナトリウムのバランス・濃度を一定に保つ働きがあります。ホメオスタシス(恒常性)が働くため、血液検査ではナトリウムはほとんど変化しません

(137-147mEq/L)が、毛髪ミネラル検査では変動幅が大きいのです。それは、ホメオスタシスの影響を受けないためと考えられます。

ナトリウムは上記のように血中で一定に保つようにコントロールされているため、血液中のナトリウム値はほとんど変わりませんが、毛髪中に現れてくる数値で高かった場合は「直近 3 か月間で平均的に高い状態が続いている」と考えられます。体内のナトリウムは副腎からでるホルモン(コルチゾール、アルドステロン)で調整されています。

 

ストレスを受けるとストレスに対抗するためのホルモン(コルチゾールやアルデステロン)

 

 

が放出されます。コルチゾールが交感神経を興奮させ、タンパク質や脂肪を分解して糖に変え血糖値を上昇させます。これにより脳が覚醒し、記憶力・集中力が高まります。

 

またストレス受けたときは血圧が上昇する仕組みはレニン-アンジオテンシン-アルドステロン系といい、アルドステロンの働きでナトリウムを再吸収し、循環血液量を増加させることにより血圧を上昇させます。

 

この働きにより、ナトリウムが体内で保持される形となるため、ストレスにより毛髪中のナトリウムが高くなる、と考えられます。

 

スポーツをたくさんする方は毛髪中のナトリウムが高くなる傾向があります。

ある高校のスポーツ部員(20 名程度)を測定したところ、皆さんナトリウムが高い傾向にありました。

 

ただし、ナトリウムが低くなる方が心配です。

 

 

ナトリウムが低い方は副腎の機能低下が疑われ、体内でナトリウムを保持することが難しくなっていることが考えられます。

こうなると、交感神経のスイッチも入れづらくなり、疲れやすい、やる気がでない、集中力がなくなる、などの要因ともなります。

 

とあるTV局のディレクターさんやカメラマンさんのミネラル検査を行ったところ、ナトリウムやカリウム、マグネシウム、カルシウムがみんな左側(低値から要注意)でした。塩を食べていないかというと皆さん三食とも大好物の油ギトギトのラーメンなど、ものすごい高塩分食を日常的に摂っています。過労や睡眠不足などのストレスが影響すると考えられます。

 

上記から毛髪ミネラル検査におけるナトリウムはストレスの指標として考えられています。

 

 

今はストレス社会、もちろん運動をしてナトリウムが高い場合は運動が要因かとすぐわかりますが、あまり運動も行っていないのにナトリウムが高い場合にもアンジオテンシン系が多く働いていると考えられますので、何かしらカラダがストレスに対抗しようとしています。つまり、周りの環境や様々な要因でストレスが過剰にかかっていることが予想されますので、まずはその要因の除去、またリラックスの時間をもうけることが重要になります。

 

 

ストレスに長期間さらされると副腎がつかれてしまい、ストレスに対抗するホルモンを出すことが出来なくなってしまいます。

亜鉛、マグネシウム、ビタミンB群、ビタミンCなどの栄養素で、副腎がしっかりと働けるようにしてあげましょう。

 

今回は、ストレスによってナトリウムは上下するといった働きの説明でした。

 

 

自分が今ストレスのどの位置にいるのかを把握することで対処が変わってきます。もちろん毛髪ミネラル検査の役割はそれだけではありません。

 

29 種類ものミネラルや有害金属を測定していますので、体内の栄養検査として定期的にお受けください。

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